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コラム第3回〈環境保護のこと〉

《本ブログは店頭で配布しているピキニニ通信で掲載しているコラム及び今月のストーリーと同内容です》

 第1回のピキニニ通信でもお伝え致しましたが、Pikinini(ピキニニ)とはパプアニューギニアの言葉で「子ども」という意味です。音の響きやパプアニューギニアの子どもたちの笑顔が大好きだったこともありますが、未来を担う子どもたちに素敵な地球、自然環境を残してあげたいという想いを込めており、また子どもたちの未来を想うお店でありたいと願う気持ちで店名と致しました。

青年海外協力隊のとき体育指導をしていた学校の生徒たち

青年海外協力隊のとき体育指導をしていた学校の生徒たち

 私たちには2人の娘がおりますので、彼女たちの将来を考え教育を行ったり、大きな怪我や病気にならないように気をつけておりますが、子育て中のお母さん、お父さんたちも多かれ少なかれ同じような気持ちで過ごされているのではないでしょうか。子どもたちのことを心配に思う気持ちは、子どもたちの未来を想っているからこそと思います。同時に私たちは綺麗な空気、水、食料が無ければ生きていけませんので、子どもたちの未来を考え、子どもたちが将来健やかに過ごすためにも、綺麗な空気、水、食料を生み出してくれる地球の自然環境を守って行くことはとても大切なことであると思っています。

 Pikininiでは環境への配慮のため紙袋や紙コップを利用される方には料金を頂いております。これはお食事代、飲み物代に始めから上乗せして全てのお客様から代金をいただくよりも、必要な方に必要なサービス料をいただき、無駄なごみは排出しない事が経済的にも環境的にも良いと判断しているからです。とは言え、このことによって減るごみの排出量は地球規模で考えると微々たるものであるということは重々承知しております。紙コップや紙袋が別料金になっているのは私たちのようなスタイルのお店では一般的ではないと思いますし、お客様には店頭でご説明する手間も生じます。ではなぜこのような事をしているのかと言うと、お客さまの中には口には出さなくても、「自然環境は大切だよね」と少なからず心の中で感じている方は実は多いのではないかと思っており、その方たちに「私たちもそうなんです」「環境保護を忘れずに継続したいですよね」と伝えたいからです。環境保護に対する意識を持った方たちでも、つい便利さや経済性を優先させたり、忘れがちになったり、普段の話題に出しにくかったりするのではないかと思うのですが、身近に「子どもたちの未来のために自然環境を守りたいんです」と言っている人(私たちなど)がいると思えば、環境保護を継続して意識しやすくなるのではないかと思いますし、そのような意識が少しでも広まるのではないかと考えております。

 Pikinini&大橋家では環境配慮への取り組みはもう一つあります。これは第1回コラムの無添加のお話しにも通ずるところがありますが、家庭で使う洗剤を合成界面活性剤[1]が使用された合成洗剤ではなく、「石けん」[2]を使用した洗剤を使うということです。お店で使用したカップや家庭での食器洗い、手洗い、洗濯に使用する洗剤やシャンプー、リンス、歯磨き粉も合成界面活性剤を使用していない石けん素地のものを使用しています。(補足ですが、合成界面活性剤が使用されている合成洗剤は何が問題視されているかというと、排水として流された洗剤は完全に分解されずに水質汚濁に繋がるという点と、もう一つは経皮毒と呼ばれるもので、皮膚や頭皮から身体に有害な物質が浸透し体に悪影響を及ぼすのではないかと考えられていることです。)

 書名は覚えておりませんが以前石けんについて書かれた本を読んだときに合成界面活性剤と石けんの環境に及ぼす違いにおける面白い実験がありました。私にとっては非常にインパクトがあったのでご紹介させて下さい。これは簡単な実験で、2つの水槽がありその中にはナマコが入っています。一方には合成界面活性剤を使用した合成洗剤、もう一方には石けんを溶かし入れ、放置するという実験でした。皆さまのご想像の通りですが、合成洗剤を入れた方のナマコは息絶えてしまいました。一方で石鹸を溶かした水槽のナマコは生きていただけではありませんでした。石けんを溶かした水は白く濁りますが、その水が綺麗な透明になっていたのです。そしてナマコは太りました(笑)。つまり石けんはナマコの餌になって水は綺麗になった(自然に帰る)という結果です。私が実際に実験したわけではありませんし、どちらが良いとか悪いとか証明することは出来ませんが、このような情報と自分自身の経験と勘を頼りに考えた時に、環境と家族と自分のために選択の余地があるのなら、石けんの方を選びたいと思うのです。

 ニセコのように豊かな自然環境が残る地域に住んでいる方の中には使用するエネルギーを最小限にして自家発電をしたり、有機野菜を育てて自給自足の生活をしている方がいらっしゃると思います。ニセコには自然をこよなく愛している人やニセコの自然の恩恵を受けて楽しく暮らしている方が多くいると思いますので、スキー場やたくさん降るパウダースノー、美しい景観、美味しい農作物だけではなく、その環境を守る人々の精神も同様に美しく世界的に有名になるような町、地域になればとってもカッコいいと考え、まずは自らがそうあろうと考えております。

[1] 界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことで、2つの混じり合わない物質の間には必ず界面が存在します。界面活性剤とは、このような界面に働いて、界面の性質を変える物質のことを言います。混じり合わない水と油の間には界面が存在していますが、界面活性剤はこの界面に働いて界面の性質を変え、水と油を混じり合わせることができます。合成界面活性剤とは、家庭用品品質表示法では、人が作り出した界面活性剤を「石けん」と「石けんでないもの」に分けており「石けんでないもの」は「合成界面活性剤」と呼ばれます。

[2] 「石けん」とは形や用途によって決まるものではなく、国際界面活性会議の用語によれば、「炭素原子を少なくとも8個含む脂肪酸または脂肪酸混合物のアルカリ塩(無機または有機)をさす総称」一般的には脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムの事を指します。洗剤の品質表示を見て「洗濯用石けん」とか「石けん素地」などと記載があるものが合成洗剤ではなく「石けん」となります。(株式会社生活と科学社が運営するウェブサイト「石鹸百貨」より情報を一部抜粋しております)

-今月のストーリー(しふぉんケーキ)-

 Pikininiがオープンしたのは2015年10月1日、その時のメニューと言えばミートソースピタパン(基本の味のみ)、有機栽培コーヒー(ドリップとロングブラックの2種類)、カフェラテ、そしてシフォンケーキでした。今考えると随分とシンプルで、よくこれでお店をやっていたなと自分自身ある意味感心してしまうのですが、当時はこれが精一杯でした。オープン前、ミートソースとコーヒーの担当は私で、ピタパンとシフォンケーキの担当は妻で様々なレシピを試しながら研究を進めておりました。実は当時私はシフォンケーキを製造、販売することに懐疑的でした。なぜなら、私は食べることが好きで甘いものも好きですが、シフォンケーキを特別好んで選ばないからでした。もちろん嫌いではなく好きですがインパクトは弱いかな・・・と。

 今となっては私の反対を押し切り頑張って作ってくれた妻に感謝しています。シフォンケーキのみをホールで買って下さるお客様やミートソースピタパンのお供に必ず買って下さるお客様を見ると嬉しい気持ちになります。シフォン(薄い絹織物)のようにしっとり、ふわふわさせるにはそれなりのコツと繊細さが必要になります。ご注文をお受けしてから切り分けたり、場合によっては型から外したりしているのも、しっとり、ふわふわの状態を食べていただきたいからです。素材は無添加で地産地消を加味しながら厳選し、道産小麦、倶知安石川養鶏場のたまご、太白ごま油[3]、道産てんさい糖、倉島牧場牛乳(80℃20分間殺菌)で作っております。私たちは真面目に真摯に作ることしか出来ませんので、気に入って下さっているお客様にはきっとその気持ちが伝わっているのだと嬉しく思っております。

[3] 圧搾製法(高い圧力で搾油を行う方法)により生のままごまを絞っていますので、煎ることによるごま油特有の色と香りがありません。ごまの旨みが凝縮された奥深い味わいで、酸化しにくいのも特徴です。(竹本油脂株式会社のホームページより情報を一部抜粋しております)

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