top of page

コラム第5回〈水のこと〉

《本ブログは店頭で配布しているピキニニ通信で掲載しているコラム及び今月のおススメと同内容です》

-店主コラム-

 第1~3回のコラムで、無添加、地産地消、環境保護について述べました。これは私たちが自然の中の一員として、自然と調和しながら生きていくことが人々の健康や健全で持続可能な社会を形成していくことに繋がると考えているからでありますが、おそらく古代より人々が生きていくうえで必要不可欠だったものの代表格が水と空気だと思います。小学生だった頃、社会の授業で日本の4大公害について学んだ記憶がありますが、それらは水質汚染と大気汚染によるものでした。現在はインフラや生活環境が整っている日本ですが、ほんの数十年前までは飲めない水や吸ってはいけない空気が存在していたことになります。身体に水分が足りなくなると喉が渇きますし、空気は常に摂取していないと生きていけませんので、健康を考えるうえで食事はもちろん大切ではありますが、水と空気はそれ以上に大切なのではないかと思います。

 私が住んでいるここ北海道ニセコ町は羊蹄山やニセコ連邦に囲まれており、自然豊かな場所です。他の町に住んでいた当時、ニセコを訪れた時はいつも羊蹄山の美しさに感動していました。住んでいるとそれが当たり前の景色になり景観の素晴らしさを忘れがちになりますが、日常の中、疲れた時に朝日や夕日に照らされた美しい羊蹄山やニセコ連邦が目の前に広がっていることに気づくと心が洗われ、エネルギーを充填されたような気分になります。

 このような美しい景観に対する慣れと本来の美しさへの気づきの感情は、ニセコの空気や湧水を使った生活にも私は共通性を感じます。ニセコに移住する前はニセコ方面にドライブに来た際にニセコ、京極、真狩などで湧水を飲んだり、汲んで持ち帰ったりすることを楽しみにしていました。今では美味しい空気を吸って、湧水を使うことが当たり前の生活になっており、水を汲むことは楽しみと言うより義務になっておりますが(笑)、よくよく考えるととても恵まれており、贅沢なことだなと思います。

Pikininiで使用している水は全てニセコの湧水ですが、せっかく湧水を汲んでいますので私たちは自宅でも全て同じ湧水を使って生活しています。食事に使用する水を水道水から湧水に変えると、とにかく全ての料理がワンランクアップすると言っても過言ではないくらい美味しくなります。経験のある方であればきっと頷いて頂けるのではないでしょうか。

 Pikininiのミートソースの水分は主にトマト、野菜、ワイン、出汁からのものですが、出汁を取る時に湧水を使用します。ピタパンやいももちを作る過程にも湧水を使用していますし、大豆、黒豆を茹でるときにももちろん湧水を使用します。

お客様から「ミートソースピタパン美味しかったです」と言葉を掛けられるととっても嬉しいのですが、この後に「特にこのいももち美味しいですね」と言われることがあります。「いももちだけ注文できないか」というお声も何度か頂きましたし、実際にお客様のご要望にお応えして「いももち増量トッピング」でお出ししたこともあります。いももちの製造過程はシンプルなのでニセコの農家さん直送のジャガイモ自体がとても美味しいと言う事なのですが、それを陰で支えているのがこの湧水ではないかと思うのです。湧水で茹でたり、蒸かしたりしたばかりのジャガイモ、大豆、黒豆を初めて食べた時、なんとも言えぬ透明感には正直驚きました。昔、某有名メーカーのウイスキーの宣伝で「何も足さない、何も引かない」と言うキャッチコピーがありましたが、まさにそのイメージ、いえ、何も足していないようで甘みと透明感が加えられているような感じがします。

 日常的に湧水を手に入れるのは困難であったり、面倒であるとは思いますが、もし入手する機会に恵まれた時には、飲み水だけではなく湧水でのお料理を是非お勧めしたいです。Pikininiでは調理に使う水、コーヒーに使う水はもちろんの事、冷たいお飲み物に使用する氷やカフェスペースで食事されるお客様にお出しする水もこの湧水を使用していますので、お楽しみいただけると大変嬉しく思います。

おまけ

 私たちの生活にとって大切な水ですが、世界では公営の水道事業を民営化する(される?)自治体も出てきています。公営の水道事業が民営化されると事業が会社(日本の会社とは限りません)の管理下に置かれますので、様々な理由を経て水質の低下や料金の高騰を招くようです。その波は日本にも近づいているようですが、生命維持に関わる水に関する事業は利益の対象とされないよう、公営であって欲しいなと私は思っております。

-今月のおススメ-

夏の暑い時期、お客様に一番人気の「水出しアイスコーヒー」に加えPikininiではアイスラテ各種も販売しておりますが、コーヒーやラテが苦手な方にも、また子どもたちにも喜んで貰えるようなスッキリした飲み​物をお出しできないかと考え、イベント限定でPikininiオリジナルの「ルバーブ・スカッシュ」を発売致しました。ニセコ倉庫邑のイベントで初めて発売致しましたが、好天にも恵まれお客様からは大変好評をいただきました。甘露の森の夏祭りのイベントではなんと4回もお代わりして下さったお客様がおり、私たちもビックリしました。多くの方に親しんでいただくことはもちろん嬉しいのですが、少数の方に絶賛していただくこともこれまた非常に嬉しいことです。スカッシュと言えばレモンのイメージですが、ニセコ産にこだわりたかったので、ニセコ産ルバーブ、北海道産てんさい糖、ニセコの湧水、炭酸水のみで「ルバーブスカッシュ」を作りました。イベント限定のつもりで作りましたが、現在では通常営業でも販売しております。ニセコでルバーブが手に入らなくなるまでの期間限定販売ですので、是非一度お試しください。

![endif]--

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
bottom of page